時間もお金もない
働き詰めの毎日

ここから私の人生は少し違う方向へ・・。

実は、結婚、出産を機に、
主人と一緒に実家の温泉施設の経営を引き継ぐことになりました。

もともと私しか跡継ぎのいない両親は、私が結婚した時に温泉施設を閉店。


施設だけが残ったので、
主人が「温泉経営をしよう！」といい、私も施設内でのスパ経営を一緒に挑戦することになったのです。

ただ、現実は甘くありませんでした。

思っていた以上に施設の
修繕箇所があったり、
売り上げが大幅に少なく
営業するほど赤字の状態・・。

まさに火の車です。

「なんで上手くいかないの！？」
「明日閉店するかも・・」

それくらい売り上げがなくて
今の現状をどうすれば打破できるか悩みすぎて、

胃がキリキリと痛くなったり、
現実を忘れたくて、
お酒の量が増えました。

後から振り返ると、
悲惨だったなと思うんですが、
その当時は本当に辛かったので、
「辛い」とか「逃げたい」と
思う余裕さえなく、

毎日死にもの狂いで、
営業方針を変更したり、
いろんな改善をしたり、
SNSやWEBの勉強をする
日々でした（笑）


その甲斐あってか、少しずつ売り上げは上がってきます。

このまま順調に行くと思いきや、
ある問題が起きました。

なかなかお客さんは、
夏場にはスパには来てくれないので、

夏場って売り上げが厳しいんです。

今のままだと、更に借り入れが必要でした。

私たちはこれ以上借り入れを
増やしたくなかったので、
一旦温泉経営を父と母に託し、
私と主人は一旦東京に戻って再就職しました。

正直苦渋の決断でした・・・

「ここまで頑張ったのに、
諦めないといけないのか・・」

「まだやれる手は
あったんじゃないか・・」

失意と後悔が頭に残る中、

温泉経営の時に作った借金を
返すために、

主人は、会社員と土日は日雇いを。

私は痩身エステのエステティシャンと塾の事務職。


二人で休む暇もなく、働き続けました。

しかし、働けど、働けど、
お金が足りない。

お給料を全て返済に使っていたため手元に残るお金が少なく、

仕事に行く交通費を稼ぐために、
ほんの少しの空き時間に
老人ホームのレクリエーションで
アロマテラピーのクラフト作りを
させていただきました。

食費も主人の実家が送ってくれていたお米を炊いておにぎりだけ。

飲み物も、水筒にお水。

コンビニのコーヒーが
とても贅沢品にみえました。

また、その当時2歳だった娘と
全く一緒にいる時間が取れず、


いつも寝る前に
「ママは？ママは？」
と泣いていたそうで、

とても寂しい思いをさせてしまいました。

そんな生活を1年半ほど続けて、

借金返済のめどもたち、温泉経営も軌道に乗ってきます。


少し忙しさも落ち着いてきたころ、

私の中にある想いが芽生えてきました。

「エステサロン、もう一度挑戦したいな・・。


でも、もう一度挑戦するのが怖い。」

もし失敗したら、自分だけの問題ではなく、

家族にも影響が及びます。

やっと大変な状況から抜けてきているのに、再挑戦するという勇気がありませんでした。


そこでまずは、痩身エステのサロンで

従業員として働くことから始めます。

エステでの仕事は激務でしたが、

お客様の反応が直にみれて改めて、「お客様が近くていい仕事だな。」と思いました。


そして、私がエステサロンに
再挑戦するに至ったきっかけがあります。


それは、勤め先の痩身サロンオーナー。

オーナーは私と同い年でした。

「同い年でも経営している人がいる・・」

ということが、私にとって、大きな希望になりました。

私も、大好きなスタッフと一緒に

「お客様が笑顔でお帰りいただけるサロン」を作りたい！！

「私やっぱり経営がしたい！
エステサロンの！」

溢れる気持ちを止められず、
家族に相談します。



すると、


「温泉施設でできた売上金を、
開業資金にしたらいい。」



家族全員で苦労して作った大切なお金。

それを自分の夢に使っていいと
応援してくれて、
感謝してもしきれなくて、
嬉しくて涙が出てきました。

こうして、痩身エステサロンを
オープンすることになったのです。

そして、無事にめでたしめでたし
・・・とはいかず。

オープン当初は、
それなりにお客様も来てくれて
売り上げもありました。

しかし、段々と新規も減り、
売り上げも下がります。

経営の限界を感じていましたが、
過去の借金の経験があり、
大きく投資する余裕はありませんでした。

そして、忘れもしないあの日がやってきます。